Appleから発売されている紛失防止アイテムのAirTag(エアタグ)。
基本は紛失防止のためのアイテムですが、バイクの盗難対策として使っている人も一定数いるかと思います。
しかし、AirTagが本当に盗難防止になるのかがわからないですよね。
そこで本記事では、AirTagがバイクの盗難対策となるのか考察していきます。
AirTagは紛失防止アイテム
AirTagは紛失防止を目的としたApple製品で、バッグや財布など物を失くしたときに探し出すことをサポートしてくれるアイテムです。
位置情報を教えてくれるのでGPSの電波を使っているのだろうと想像する人もいますが、AirTagはBluetoothの電波を利用し、近くにあるiPhoneの位置情報を利用することで自らの場所を特定します。
AirTagが利用しているBluetoothの電波が届く範囲は10mくらいなので、街中で失くした場合は高い確率でAirTagの位置を追跡することができるでしょう。
日本でのiPhone利用率はかなり高く、ほぼ間違いなく近くにiPhoneユーザーがいるからです。
2023年第一四半期ではiPhoneのシェアが55%です。
AirTagでできること
AirTagは、iPhoneやiPadなどのApple製デバイスとペアリングすることで次のことができます。
- 「探す」アプリでAirTagの現在地を表示する
- 「探す」アプリでAirTagから音を鳴らす。
- 「紛失モード」へ移行する
基本は「探す」アプリでの現在地表示と音の鳴らし方がわかっていればOKです。
AirTagを鳴らしたときのサウンドは、以下の動画で確認してみてください。
AirTagの仕様
AirTagの仕様は以下のとおり。
大きさ | 直径31.9mm、厚み8mm |
重さ | 11g |
防塵・防水性能 | IP67 |
接続 | Bluetooth |
バッテリー | CR2032ボタン電池で約1年間 |
対応OS | iOS14.5/iPadOS14.5以降 |
センサー | 加速度センサー |
価格 | 4,780円(税込) |
本体サイズは500円玉よりやや大きいくらい。
重さはうまい棒(10g)と同じくらいの11gという軽さです。
スイッチ類は特にありません。
Apple公式ストアで買うと無料で刻印が入れられます。一方、AmazonなどのECサイトは公式よりも少しお値段が安くなっています。
金額重視ならECサイト、刻印で特別仕様にしたいなら公式ストアで買いましょう。
バイクへの設置は取り外ししにくい場所へ
バイクにAirTagを設置する場合は、バイクが盗難されても窃盗犯に見つかりにくく、取り外しがしづらい場所が望ましいです。
例えばシートの裏に貼り付けたり、開けるのに鍵が必要な小物入れの中がよいでしょう。
仮に盗難された場合を考察
では、AirTagを仕込んだバイクが盗難された場合を想定して考察していきます。
紛失モードをONにしない
盗難されたとしても、紛失モードをONにしてはいけません。
なぜなら、紛失モードをONにすることで一番近くにいる人のiPhoneへ通知がされてしまい、バイクにAirTagがついていることが窃盗犯にバレてしまうからです。
紛失モードはOFFのままで追跡しましょう。
街中での逃走中は追跡しやすい
AirTagはiPhoneの電波を拾って自分の位置を特定しています。
街中ではiPhoneを持っている人がたくさんいるので、かなりの制度で追跡できるでしょう。
ただし、窃盗犯がそれなりのスピードで移動すると、位置情報の更新がやや断片的になるらしいです。
郊外では追跡が難しい可能性あり
郊外ではAirTagでの追跡ができなくなる可能性があります。
街中と違い人の数が少なくなり、iPhoneを持っている人も少なくなるからです。
窃盗犯がiPhoneユーザーであれば窃盗犯のiPhoneの電波を拾って追いかけてくれますが、Android派だと追跡が途切れてしまう可能性が高まります。
窃盗犯のスマホがiPhoneだと通知されてしまう
窃盗犯が持っているスマホがiPhoneだった場合、追跡はずっとしてくれます。
しかし、AirTagは持ち主以外のiPhoneと移動をし続けることで、一緒に移動するiPhoneへ通知がされる仕組みになっています。(AirTagのストーカー防止機能によるものです)
そのため、AirTagで追跡されていることに窃盗犯は気付いてしまうのです。
通知されるまでの時間は公開されていませんが、ネットでの口コミでは3時間くらいと言われています。
通知されるとAirTagを探し始めてしまうので、追跡できるのは3時間くらいと考えるのがよさそうです。
通知にビックリして盗難を諦めてくれるとありがたいですが。
窃盗犯のスマホがAndroidなら電子音が鳴ってしまう
窃盗犯のスマホがAndroidの場合、追跡の精度は低くなるもののiPhoneのように窃盗犯のスマホへ通知がされることはありません。
しかし、持ち主から8時間以上離れた状態が継続すると、AirTagは勝手に鳴りだす仕様になっています。
電子音は15秒くらいで音量は60㏈程度(普通の会話程度)、かつシート下などに仕込むとさらに聞こえづらくなるので、気づかれない可能性はありますが、電子音に気づかれた場合にはAirTagを仕込んでいることに気づかれてしまいます。
音を鳴らさないようアプリで設定ができるので、バイク盗難防止として使うならサウンドOFFにしておいたほうがよいでしょう。
追跡できたとしても単独で追いかけるのは危険
AirTagで窃盗犯を追跡できた場合でも、単独で追いかけるのは危険です。
窃盗犯と接触することで、逃げ出すために危害を加えられる可能性があります。
追跡する場合は、必ず警察に相談して追いかけるようにしましょう。
AirTag単体での盗難防止にはやや不足だが組み合わせて使うにはアリ
結論としては、AirTagで盗難されたバイクを取り返せる可能性はあるものの、盗難防止目的としてはやや不足かなと思いました。
- 窃盗犯のスマホがiPhoneの場合、AirTagが仕込んでいることがバレて外されるかもしれない
- 窃盗犯のスマホがAndroidの場合、追跡ができなくなる可能性がある
AirTag本来の目的は紛失防止。以下の用途に使うととても便利だと思います。
- バイクのキーにAirTagをつける
- 飼っているペットにAirTagをつけて万が一逃げ出したときに追跡する
- 子供の迷子対策としてAirTagを持たせる
- 旅行用スーツケースにつけて空港でのロストバゲッジ対策にする
バイクの盗難対策は複数の対策を組み合わせるのが基本。なので、他の盗難対策と組み合わせてAirTagを使うのはアリです。
例えばこんな組み合わせだと盗難防止効果が高くコスパもよいのでオススメ。
- チェーンロック+バイクカバー+アラームロック+AirTag
この組み合わせをすることで、もし盗難されそうになっても以下の順番で防ぐことができます。
- バイクカバーで車体を隠すことにより、盗難する価値があるバイクかを判断させない。
- チェーンロックをバイクカバーの穴に通しながら地球ロックで固定し、バイクカバーをめくられないようにしながらチェーンを切断しないと盗めないようにする。
- チェーンロックを切断しようとしたときの振動でアラームを鳴らす。
- それでも盗難されたらAirTagで追跡する
盗難対策として考えるなら盗難保険を検討してみよう
チェーンロックなどの盗難対策アイテムを適切に組み合わせて使うことによって、バイクが盗まれる可能性を低く抑えることができます。
しかし、不幸にもプロの窃盗団に目をつけられてしまったら、いくら対策しても盗まれるときは盗まれてしまいます。
頑丈なロックをさらに追加するのも一つの手ですが、高額なロックをたくさんつけるくらいなら、盗難保険への加入を検討してみましょう。
盗難保険に加入しておけば、万が一バイクが盗難されても保険会社から一定の補償が受けられるので、金銭的なダメージはもちろん精神的なダメージもかなり軽くなります。
おすすめのバイク用盗難保険は、ZuttoRide Clubです。
例えば補償額30万円のプランなら、1日あたり約35円の保険料でOK、パーツのみの盗難やカギ穴へのいたずらにも対応。
高額なロックをたくさん買うよりもコスパがいいのでは!?
【関連記事】バイクの盗難保険に加入すべきかの解説とおすすめの盗難保険をこちらで紹介しています
まとめ:盗難対策の一つとしてAirTagを試してみるのはアリ
本記事では、AirTagがバイクの盗難対策となるのか考察してみました。
AirTagはやはり紛失防止目的のアイテムなので、盗難対策としてはやや心もとないですが、複数の盗難対策の一つとして導入するのはアリです。
そこまで値段も高くないことと、バイクにつけるのをやめたとしても本来の紛失防止用としての用途はたくさんあるので、お試しで買ってみてもOKですね。
以上、参考になれば幸いです。