バイク用インカムは、仲間との通話以外にも音楽を聴いたりラジオを聞いたりとさまざまな機能が盛り込まれているので、いまやソロツーリングでも欠かせないアイテムです。
でも、高機能インカムは高いので、ソロツーリングや通勤がメインの場合はなかなか手を出しづらいですよね。
そこで本記事では、ソロツーリングや通勤に向いているコスパのよいインカムを紹介します。
本記事を読むことで、一人で走るときに最適なインカムのモデルを知ることができて、ソロツーリングや通勤がとても快適になります。
ソロ向けのインカムにハイエンドモデルは不要
ハイエンドモデルのインカムはたくさんの機能がありますが、一人で走るときにすべての機能が役立つか?と言われると、そんなことはありません。
例えば私が愛用しているB+COMのハイエンドモデルSB6Xでは、一人のときに以下の機能を使うことはありません。
- インカム同士での通話
- ユニバーサル通話機能(他社インカムとの接続)
- オーディオシェア機能
ハイエンドモデルは多機能で満足度が高いですが、価格も高いのでソロ向けとしてはどうしても機能を持て余してしまいます。そのため、機能を絞ったモデルを選ぶことで購入費用を抑えることができます。
もし通話をする場合は、LINEのようなトークアプリで会話すればOK。音質はインカム同士の接続よりは悪くなりますが、通話できないよりは全然マシです。
ソロ向けインカムを選ぶときに押さえておきたいポイント
ソロ向けのインカムを選ぶときに押さえておきたいポイントは、以下の4点です。
- 連続使用時間が10時間以上
- 高音質サウンド
- 防水性能IPX6以上
- 保証期間
それでは、それぞれのポイントについて解説していきます。
連続使用時間が10時間以上
1日ツーリングで使いっぱなしなことを想定すると、10時間以上は連続使用できるモデルがおすすめです。
10時間もあれば、日帰りツーリング中にバッテリーがなくなることはそうそうありません。
使用時間が10時間以下だったりバッテリー切れが心配な場合は、モバイルバッテリーを持っていって休憩中にインカムを充電するようにしましょう。
高音質サウンド
どうせなら高音質のスピーカーが採用されているモデルを選びましょう。
ソロ向けインカムでは音楽を聴くことがメインの機能になるので、音質がいいとテンションも上がります。
でもボリュームの上げすぎには注意!周りの音が聞こえる程度にしましょう。
防水性能はIPX6以上
強い雨に降られても故障の心配がないIPX6以上の防水等級を選びましょう。
バイクに乗っていると、どうしても急な雨で濡れてしまうことがありますが、雨で故障してしまうようなものはバイク用に適していません。
防水等級は、下表のとおり定められています。
等級 | 保護の程度 |
---|---|
IPx0 | 水の侵入に対して特に保護されていない |
IPx1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない |
IPx2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IPx3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IPx4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
IPx5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPx6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPx7 | 既定の圧力、時間で水中に没しても水が浸入しない |
保証期間
保証期間が1年以上あるものを選んでおきましょう。
インカムのような無線機器は意外と壊れやすかったり、初期不良があったりするもの。
特に防水レベルが高くないものは故障する確率が上がるので、保証期間を確認しておくとよいでしょう。
ソロ向けおすすめインカムを紹介
それでは、ソロ向けインカムを選ぶポイントを踏まえた上で、おすすめしたいインカムはこちらの5選です。
- サインハウス B+COM PLAY
- デイトナ DT-KIKUDAKE
- SENA 3S PLUS
- MIDLAND BT GO
- MIDLAND BT MINI
サインハウス B+COM PLAY(ビーコムプレイ)
- コンパクトなボディサイズ W78.3mm×H33.8mm×D23.6mm
- 5種類のカラーバリエーション
- 防水IP67
- 日本語音声ガイダンス
- 最大使用時間12時間
- マルチペアリング機能
国内シェアNo.1のインカムであるサインハウスのB+COMシリーズ、その中でソロ向けに作られたモデルがB+COM PLAY(ビーコムプレイ)です。
手のひらに乗るくらいのコンパクトな大きさで、重量もハイエンドモデルSB6Xが53gに対し、半分以下である22gです。
2022年度グッドデザイン賞を受賞しており、見た目も洗練されています。
カラーバリエーションはマットメタリックブルー、ホワイト、マットゴールド、ガンメタリック、ブラックの5種類。
取り付けはめちゃくちゃ簡単。マジックテープをヘルメットに貼るだけでOKです。
マイクがついているので、電話に出ることができたり、Siriなどの音声認識機能を使って音声で操作することも可能。
高音質スピーカーは採用されていませんが、以下のレビュー動画によると音質もハイエンドモデルのSB6Xと遜色ないようです。
デイトナ DT-KIKUDAKE(ディーティーキクダケ)
- シンプルでコンパクトなデザイン L83.5mm×W28.3mm×H21mm
- ラジオチューナー内蔵
- 単4電池1本で12時間駆動
- 高音質スピーカー
- 防塵・防水IP67
- マルチペアリング対応
デイトナから販売しているDT-KIKUDAKEは、聴くことに特化したモデル。
マイクはついておらず、名前のとおりシンプルに聴くだけのインカムです。デザインもシンプルでコンパクト。
バッテリーは充電式ではなく乾電池式で、単4電池1本で12時間使用できます。ツーリング中に電池がなくなっても、電池を入れ替えればすぐに復活。もちろん充電式の乾電池も使えます。
マルチペアリングに対応しているので、例えばスマホで音楽を聴きながら、ナビやレーダーの音声待ち受けが可能です。
SENA(セナ) 3S PLUS
- 1対1のインカム通話
- 通話距離400m
- 日本語音声案内
- ミニマルなデザイン
- 2年間保証
- 使用時間8時間
SENAインカムのエントリーモデルである3S PLUSには、BOOMとUniversalの2種類があります。
BOOMはジェットのようなオープンフェイスヘルメット用で、口元のアームマイクにボタンが2つ配置されています。そのため、ヘルメット側面には何もないのでスッキリした見た目。
Universalはさまざまなヘルメットに対応したモデルで、ヘルメット側面に小さなボタンが2つあるだけのミニマルなデザインです。
防水レベルは記載がありませんが、構造的にヘルメットの外側に出る部分が少ないので濡れて壊れることは少ないでしょう。もし壊れても保証期間が2年間もあるので安心ですね。
インカム通話は1対1の通信のみ可能です。Advanced Noise Control機能により走行中の風切り音などが軽減され、会話や音声がクリアに聞こえます。
MIDLAND(ミッドランド) BT GO
- ミニマムなデザイン
- 1対1通話
- 通話距離200m
- 使用時間8時間
MIDLANDは創業40年以上の歴史を持つイタリアの映像通信機メーカー。
いまや必須機能となっている、他社のインカムと通話ができるユニバーサル通話機能を初めて搭載したのがMIDLANDです。
SENAの3S PLUSと同じく、MIDLAND BT GOにもマイクアームにボタンが配置されたジェット向けモデルと、さまざまなヘルメットに対応したユニバーサルの2モデルがあります。
防水レベルは日常生活防水レベルですが、Amazonなどのレビューでは雨の中で使い続けても壊れていないとの声がけっこうあるので、意外と防水性は高そうです。
1対1のインカム通話ができますが最大通話距離が200mなので、タンデムでの使用に留めておくのがよいでしょう。
MIDLAND(ミッドランド) BT MINI
- 高音質Hi-Fiスピーカー搭載
- BT MINI同士のインカム通話
- 通話距離200m
- 使用時間8時間
MIDLAND BT MINIは高音質Hi-Fiスピーカーが搭載されており、音質を重視したソロライダー向けのモデルです。
スピーカー以外の仕様はBT GOと同じなので、よりよい音質で音楽を聴きたいならBT MINIがおすすめです。
※2022年12月時点では入手困難になっており、各ECサイトでも品切れになっています。
ソロ向けおすすめインカムを比較
ソロ向けインカムを機能・スペックで比較できるように一覧化しました。
※横スクロールできます
B+COM PLAY | DT-KIKUDAKE | SENA 3S PLUS | MIDLAND BT GO | MIDLAND BT MINI | |
---|---|---|---|---|---|
連続使用時間 | 12時間 | 12時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 |
高品質サウンド | - | 〇 | - | - | 〇 |
防塵・防水性能 | IP67 | IP67 | 不明 | 日常生活防水 | 日常生活防水 |
保証期間 | 1年間 | 1年間 | 2年間 | 1年間 | 1年間 |
最大通話可能人数 | - | - | 2人 | 2人 | 2人 |
最大通話距離 | - | - | 400m | 200m | 200m |
価格(Amazon調べ) | 12,980円 | 12,855円 | 16,535円 | 11,075円 | – |
いざというときの通話を考慮せず、音楽を聴くことに全振りするなら、デイトナのDT-KIKUDAKEがおすすめです。
悩んだらやはりサインハウスのB+COM PLAYですね。デザイン・機能・コスパの高さ、どれをとっても後悔はないでしょう。
まとめ
本記事では、ソロツーリングや通勤に向いているインカムを紹介しました。
ソロ向けのインカムは機能を絞っているので価格が安く、コンパクトなデザインのモデルが多いところが魅力です。ハイエンドモデルを持っていてもサブ機としてソロ用インカムを使うのもアリですね。
以上、参考になれば幸いです!