MT-25が気になってます!
インプレやレビューを見てなんとなくはわかったんだけど、試乗レベルの感想が多くて。
せっかく買うなら長く乗りたいし、長い間乗っている人の感想を聞きたい!
バイクのレビューやインプレッションは、ちょっと乗ってみた程度の情報しかないことが多く、長く所有した場合の情報は意外と少ないです。
バイクは高い買い物なので、買ったあとに短所や欠点を知って後悔したくないですよね。
そこで、MT-25を発売当初の2016年10月に購入して5年間で20000キロ以上を走ってきた私が、乗っていて感じたMT-25の長所・短所をすべてお伝えします。
この記事を読むことで、MT-25が自分に合うバイクであるかわかり、納得したうえで購入するべきか決断できるようになります。
MT-25ってどんなバイク?
MT-25は、YZF-R25をベースとして、外装をストリートファイターテイストに仕上げたモデルです。
タンク周りを専用デザインに一新し、個性的なヘッドライトやバーハンドルの採用で、YZF-R25よりもストリート向けでリラックスしたポジションで乗れるマシンです。
スペック
MT-25のスペックは下表のとおり。
全長/全幅/全高 | 2090mm/745mm/1035mm |
シート高 | 780mm |
軸間距離 | 1380mm |
最低地上高 | 160mm |
車両重量 | 165kg |
燃料消費率 | 定地燃費値 33.7km/l(60km/h) WMTCモード値 26.2km/l(60km/h) |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ |
気筒数配列 | 直列 2気筒 |
総排気量 | 249cc |
内径×行程 | 60.0mm×44.1mm |
圧縮比 | 11.6:1 |
最高出力 | 27kW(36PS)/12000r/min |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/10000r/min |
始動方式 | セルフ式 |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
エンジンオイル容量 | 2.4L |
燃料タンク容量 | 14L |
吸気・燃料装置/燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) |
バッテリー容量/型式 | 12V, 7.0Ah(10HR)/GTZ8V |
変速比 | 1速 2.665/2速 1.881/3速 1.453/4速 1.200/5速 1.036/6速 0.920 |
制動装置形式(前/後) | 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム |
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ | ハロゲンバルブ 60W/55W |
MT-25のインプレッション
それでは、MT-25のインプレッションについてお伝えしていきます。
エンジン性能
レビューサイトでは低速のトルクがないと言われがちですが、2速発進できるくらいのトルクはあります。(とはいえ発進は1速にしましょう)
ただし、回転数によってトルクの感じ方がかなり変わるのは事実。
5000回転を超えたあたりからトルクが太くなるのを感じてきて、7000回転以上になると250ccとは思えないくらいの充分なパワーを感じます。
ギアの使い方は以下のイメージです。
- 1速:0km~20km
- 2速:10km~35km
- 3速:30km~55km
- 4速:40km~70km
- 5速:50km~90km
- 6速:80km~
平坦な道だと全体的にやや低回転気味な使い方ですが、充分かなと。峠ではもう少し高回転気味に回したほうが楽しいです。
走行性能
走行性能については、以下3点について解説します。
- コーナリング
- 高速道路
- 渋滞時
コーナリング
コーナリングがめっちゃうまくなった!と思ってしまうほど、よく曲がるバイクです。
峠では軽量なところも活かされ、タイトなコーナーや坂道をギュンギュン走ることができて、とても楽しい!!
なのに、直進性も安定しています。
高速道路
100キロ巡航はかなり余裕です。
高速の合流時の加速も、4~5速で気持ちよく加速して合流できます。
追い抜きのときは、6速での加速だとちょっと物足りなさを感じますが、5速に落とせばしっかり加速してくれます。
渋滞時
実は渋滞のときの走行が楽なんです。
2速で10キロ出ていれば半クラッチの必要がないので、左手の疲労軽減におおいに貢献してくれます。
乗り心地
やや前傾ですが、前傾過ぎない絶妙なポジションです。
のんびり走ったり、ときには攻めた走りをしたり、様々なシーンに合うポジションかなと。
教習所で乗ったことのある方も多いと思われるCB400SFに近いポジションです。
ステップ位置は、ヒザの曲がりが少なめで楽なポジションです。
(ステップ位置が上にありすぎるとヒザの曲がりが大きくなり、疲労につながる)
また、停車するときにステップが当たらない位置にあるのもよい点です。
シート高と座り心地
シート高は780mmで、ライバル車種のCB250RやZ250と比べても一番低く、シートも細めなので足つきはいいです。
当方179cmなので参考になりづらいですが、両足のヒザが曲がるくらいベッタリ。
その代わり、シートはやや硬めで(SSと比べればまだ柔らかいですが)長時間乗るとお尻がしびれてきます。
なぜかカスタムシートが全然生産されていないので、お尻へのダメージ対策としてワイズギアのクールメッシュシートカバーをつけています。
タンデム走行
タンデム時は、ソロのときと比べて加速への影響を少し感じます。
運転に支障があるほどではありませんが、250ccだなと感じる部分の一つですね。
タンデムシートは見た目のとおり薄くて狭いので、タンデムでの長距離ツーリングは後部座席の人にとって厳しいかなと。
そのため、タンデム走行は往復100キロ程度の距離にとどめておいたほうがよいかと思います。
タンデムバーはデザイン的にとても好みです。
後部座席の人がつかむところがあるのは、安心感が増す要素ですね。
(2020年型以降のモデルではなくなってしまいましたが)
ハンドルへの振動
振動がすごいというレビューも見かけますが、そういう人はたぶん高回転でブン回すタイプなのかなと。
私の使い方が低回転よりだからかもしれませんが、長距離ツーリングでも振動で手がしびれるということはありません。
防風性能
ノーマルバイザーだと防風面では効果がないので、走行風を体全体で浴びることになります。
私はワイズギアのスポーツスクリーンをつけているのですが、ノーマルよりも60mmサイズアップするだけで見た目以上に防風効果「アリ」です。
体感的には、ヘルメットの半分より下は走行風が軽減できていると感じますね。
取り回し
かなりの軽量級165kgで、小回りが利くようハンドルの切れ角も確保されているので、押しながらのUターンも楽勝です。
シート高の低さもあり、またがったまま取り回すこともできます。(私の身長のせいもありますが)
取り回しのしやすさは、バイク初心者の方や、大型から乗り換える方にとって大きなメリットですね。
燃費
一般道や峠道でそれなりに回転数を上げて走っても30km/Lくらいをキープし、高速道路だと35km/Lあたりまで伸びます。
タンクの大きさが14リットルあるため、ガソリン満タンからの航続距離は300キロを余裕で越えます。
デジタル燃料計がついているので、給油してからの距離を気にする必要もなく、私はメモリが2つ以下(満タンは6メモリ)になったら給油することにしています。
積載性
MT-25に限ることではないのですが、積載性はゼロに等しいです。
タンデムシートの下にはちょうどETCを入れられるスペースがありますが、ETCだけでいっぱいになるので、荷物は以下のいずれかの手段で持ち運ぶことになります。
- シートバッグ、サイドバッグをつける
- リアキャリア&ボックスをつける
- バイクにバッグやケース類はつけず、リュックなどのバッグへ入れる
過去にはシートバッグをつけていたのですが、写真を撮るとどうしてもノーマルの美しいシルエットが崩れてしまうので、今はリュック派です。
とはいうものの、容量可変式のシートバッグで、通常7リットル最大14リットルの収納量があったので、機能的には満足していました。
デグナーのアジャスターシートバッグという製品で、バイクを降りたときも簡単に持ち運びできるので、個人的にはおすすめのシートバッグです。
ヘルメットホルダー
コストカットのためと思われますが、ヘルメットホルダーが標準装備されていません。
ただし、KITACOやキジマなどの各パーツメーカーから安く販売していますので、必要な場合は別途購入すればまったく問題ありません。
カスタムの拡張性
人気車種のため、色んなパーツメーカーから様々な製品が出ています。
MT-25は過度な装備がないぶん、カスタムベースとして適しているので、カスタムパーツをつけて自分だけの1台を作っていくという楽しみが大きいバイクです。
まとめ
今回は、ヤマハMT-25を20000キロ走行してわかったいいところ、悪いところを紹介しました。
- 街乗り・高速道路どちらもストレスなく走れる
- 峠は最高に楽しい
- 足つきがよく、取り回しが楽
- ガソリン満タンからの航続距離が長い
- カスタムパーツが多い
- お尻へのダメージがそれなりにある
- 長時間のタンデムにはあまり向いていない
- ノーマル状態では防風性能がない(スクリーンを買えば解決)
- ヘルメットホルダーがない(カスタムパーツで解決)
- 積載性はなし(MT-25に限ったことではないが)
総評としては、250ccのバイクを買うならばMT-25は超おすすめです。
ツーリング目的であれば、なんでもこなしてしまう万能型。
くせがなく扱いやすいので、特に初心者の方にはおすすめできる車種です。